公益財団法人 えどがわ環境財団

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自然動物園SHIZEN ZOO

2024年10月の自然動物園ぶろぐ

みんな大好きモルモット~後編~

 

みなさん、こんにちは!

「ふれあいコーナー」で大人気のモルモットについてのおはなしの続きです。

前回の記事はこちら)(「ふれあいコーナー」についてはこちら

 

今回は自然動物園でのモルモットのペアリングや妊娠・出産についてお伝えします!

 

普段モルモットはオスとメスを分けて飼育していて、繁殖をする際は家系図を確認してペアリングをします。

1頭ごとに個体カードを作成しファイリングして管理しています。

 

モルモット

 

その個体の父獣(ふじゅう:父モルモット)・母獣(ぼじゅう:母モルモット)の情報や繁殖歴、手術歴などもすぐにわかります。

ただし、どの個体でも繁殖に適しているわけではありません。

モルモットのメスは恥骨という骨盤の一部の骨の結合が1歳以上になると硬くなりより産道が開かず難産になる傾向があるので、自然動物園では生後半年くらいまでの若いメスを繁殖に用いています。

繁殖に用いる個体を選定したらオスとメスを同居させます。

胎児が大きくなり、母獣のお腹が見た目で大きく出てきて、妊娠を目視で確認できた後にオスから離します。

 

モルモットの妊娠期間は60〜75日ほどで、普段の体重が800~1000gくらいの母獣に対して、仔(こ:こどものモルモット)は60〜100g前後の重さとかなり大きく、母獣は一回の出産で平均2〜4頭ほど産みます。

生まれた仔は母獣のミルクを飲みますが、固形物を食べることもすぐにできるようになります。

生まれてすぐの見た目は「とても小さいモルモット」という感じです。

 

モルモット

生後5日のモルモット

 

 妊娠後期になるとレントゲンを撮影しお腹の中の仔の状態や頭数を確認します。

母獣の恥骨は出産が近づくとどんどん開いてきて産道となります。

レントゲンによってこの開き具合もわかりますので、出産時期を予想することができます。

出産予定や仔の頭数や状態がわかると、いざ出産という際にとても役立ちます。

事前に母獣が落ち着ける個別のケージに移すこともできます。

先ほどもお伝えした通り、モルモットは仔が大きい状態で生まれてくるため、

難産になって母体や仔の命が危険になる場合もあります。

実際に難産になってしまった場合に「まだ仔がおなかに残っている」のか「もうすべての仔を出産した」のかによって対処が変わりますので、あらかじめ妊娠頭数を把握することはとても重要です。

そして薬等の準備も事前に行うことができるので、こちらは安心して出産を待つことができます。

 

出産間際のモルモットの体形とそのレントゲン写真がこちら

モルモット モルモット

 

胎児の骨格もしっかりと映っています。

今回の母獣は4頭妊娠していました。

恥骨も開いてきており、出産が近いと思われます。

実際、レントゲンを撮った3日後に無事に4頭の元気な仔を出産しました!

 

モルモット

 モルモット

 

この仔たちも来年の夏前には「ふれあいコーナー」にデビューすることでしょう!

今回は自然動物園で行っているモルモットの繁殖管理について紹介しました。

 

それぞれ個性豊かなモルモットたちにぜひ会いに来てくださいね♪

 

(H) 

 

 


2024年10月19日

みんな大好きモルモット~前編~

みなさん、こんにちは!

最近では、少し涼しい日も出てきて秋を感じることができますね!

 

さて、9月半ばに夏の猛暑でお休みしていた「ふれあいコーナー」も再開しました!

 今回は「ふれあいコーナー」で大人気のモルモットの飼育管理について紹介します!

 ※「ふれあいコーナー」についてはこちら

  

 ふれあいコーナー

 

「ふれあいコーナー」に「出勤」するモルモットは実は日替わりなんです。

何度も来ていただいている方は、来るたびにモルモットの毛色が違うなと思っていたかもしれません。

モルモットたちにとって毎日長い時間「出勤」することはストレスにつながります。

逆に、お休みがあればストレスはかなり軽減されます。

そのため日替わりにできるよう、それに見合った頭数を飼育しています。

 

 モルモット

↑グループごとに飼育管理しています、こちらは「市川グループ」

 

飼育数を保つためには繁殖が欠かせません。

モルモットの寿命は6〜8年くらいと言われますが、寿命や病気で死亡してしまうたびに他の施設などから新しく導入することは難しいです。

また、導入したとしてもすぐ「ふれあいコーナー」に出すことはできません。

しっかりとハンドリングする期間が必要だからです。

ハンドリングを経ないと、お客様に触られたり抱かれたりすることにとても緊張してしまったり暴れてしまったりと、モルモットもお客様も残念な思いをします。

 

自然動物園では定期的に繁殖させ、生まれたモルモットを順次ハンドリングし体がしっかり大きくなった生後半年〜8ヶ月くらいで「ふれあいコーナー」にデビューさせています。

また、お年寄りになると引退し「ふれあいコーナー」にはいかずゆっくりと過ごしています。

 

モルモット

↑仔(こ:こどものモルモット)とお年寄りの「リラックスグループ」

 

このハンドリングはモルモットの健康管理にも役立ちます。

週に一回必ず健康チェックをしていますが、その際もハンドリングしていない場合は動物も不安になり、噛んでしまったり暴れてしまったりして危険です。

また、獣医さんが病気や怪我の治療をする際も軽く抑えるだけで安全に行うことができます。

 

モルモットは齧歯類(げっしるい:ネズミの仲間)ですが、一般的なネズミたちより妊娠期間が長かったり、生まれてくる仔の見た目も全く違います。

ネズミの仲間は毛が生えていなく、目も開いていないかなり未熟な状態で生まれる種類が多いですが、モルモットの仔は生まれた時すでに毛が生えそろっていて目も開いています。

 

出産したモルモット

出産直後の母獣(ぼじゅう:母モルモット・右奥)とまだ毛が乾いていない仔たち

※左奥はこれから出産予定の母獣

 

生まれたての仔は2頭身のようにも見え、とてもかわいらしいです。

次回のぶろぐでは今回のお話の続き、モルモットのペアリングや妊娠・出産について詳しくお伝えしようと思います!

お楽しみに!

 

(H)

 

 


2024年10月11日

アニモ16歳のお誕生日

 

9月25日は当園のオオアリクイのオス『アニモ』の誕生日でした!!!

 

 

 

 

\お誕生日おめでとう!!!/

 

 

アニモはこれで16歳になりました。

 

 

ヒトの寿命を100年とすれば、だいたい60代半ばくらいの年齢です。

 

 

 

 

2010年6月に当園にやってきて早14年。

 

 

これまで特に大きな病気もなく元気に過ごしていたアニモですが実は先日、体調を崩していた時期がありました。

 

 

いつもなら完食するエサをほとんど残したり、1日中寝て過ごす日があったり…

 

 

担当者が今まで経験したことがない出来事でした。

 

 

 

 

そこで他園の担当者や獣医、有識者の方々に話を伺ったり、鎮静(ちんせい:薬の効果で治療の間だけ動かなくすること)をかけて採血を行うなど当園の獣医とできることを続けた結果、現在は体調と食欲がかなり回復し、無事に16歳の誕生日を迎えることができました。

 

 

今までずっと元気に過ごしていただけに今回の出来事はかなり不安ではありましたが、回復してくれて本当にほっとしました…

 

 

ただ、オオアリクイのように飼育頭数が少ない動物は治療の報告例なども少なく、 処置も非常に難しいことを今回改めて痛感しました。

 

 

今後も国内の担当者などと連絡を密に取り合いながら、健康に過ごしていけるよう飼育を続けていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

さて、連日皆さんを虜にしているオオアリクイの赤ちゃん。

 

 

早いもので生後1か月を迎えましたがこの度性別が判明しました!

 

 

性別は…メスでした!

 

 

第1子のアモとは姉妹になりますね。

 

 

さあ性別がわかったということは、ワタクシRにはもう1つ決めなければならないことがあるということですよね?

 

 

そちらもみなさんどうぞお楽しみに。

 

 

では今回も最後に赤ちゃんのとっておきの写真をご覧ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3枚目の親子の写真が特にお気に入りのR)

 

 

 

 


2024年10月07日

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