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公益財団法人 えどがわ環境財団

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自然動物園SHIZEN ZOO

2026年07月の自然動物園ぶろぐ

【お知らせ】キホオボウシインコ「タロー」について

 

2026年6月30日(火)、当園で飼育していたキホオボウシインコの「タロー」が死亡いたしました。

 

死因は腎不全でした。

タローは以前から腎機能の低下がみられており、また加齢に伴う脳の変化により、体の震えがみられることもありました。

亡くなる3日前から主食であるペレットの採食量が低下していましたが、好物のフルーツは食べており、担当飼育員が近づいた際にも普段と変わらない反応を見せていました。

しかし、当日の朝、出勤した職員が展示場内で横たわっているタローを発見しました。

 

タローはオスで、正確な年齢は不明でしたが、かなりの高齢ではありました。

2023年10月12日に来園した後はしばらくバックヤードで過ごし、2025年7月31日より展示を開始しました。

展示開始後は園内の複数の展示場で生活し、ペンギン横の展示場(現在はニワトリを展示)をはじめ、水生コーナー横のヨウムの展示場での同居を経て、最後はシロビタイムジオウムの隣でキエリボウシインコとともに暮らしていました。

 

皆さまにご覧いただけた期間は11か月と決して長くはありませんでしたが、その間、多くの方に親しんでいただきました。

担当飼育員が近づくと鳴き声で応えたり、好物のフルーツをおいしそうに食べたりする姿は、私たち職員の心にも深く残っています。

生前、タローを温かく見守り、応援してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

 


2026年07月23日

祝1歳!ミラクルにおきた奇跡~前編~

今年の夏も暑いですね。

 

ブラウンケナガクモザルも、日中は日陰でのんびり過ごしていますが、子ザルたちだけは「じっとはしていられない!」とでも言わんばかりに活発に遊んでいます。

 

7月5日に1歳を迎えた雄のミラクルも遊びたいさかりの1頭です。

 

しかし、昨年の今頃は命が危ぶまれ、1年後にこれほど元気な姿を見られるとは思ってもいませんでした。

 

ミラクルの命が今ここにある背景には、いくつもの奇跡が重なっています。

 

今回は、ブラウンケナガクモザルのミラクルを通して私たちが目の当たりにした生命の不思議について、前半と後半に分けてご紹介します。

 

写真:ブラウンケナガクモザルのミラクル(2026年4月撮影)


 ◆クモザルでは稀な双子での出生

 

2025年7月5日に、ミラクルは当園初の双子で生まれました。

 

クモザルの双子は非常に珍しく、国内での報告例は数例で、海外を含めても稀です。

 

母親のミーナは子育てのベテランではありますが、同時に2頭の赤ちゃんを育てる事態には戸惑ったようでした。

 

自分では1頭しか世話をせず、もう1頭の赤ちゃんは自身の母親のナミや、3頭の子を育ててきたモミジに任せていました。

 

ナミやモミジの協力を得て、数日間はミーナも育児に奮闘しましたが、出産のダメージからか、徐々に赤ちゃんたちへの関心は薄れていきました。

 

出産から4日後の7月9日以降、ミーナが赤ちゃんの世話をする様子は見られなくなりました。 

 

写真:ミーナに代わり双子を抱くナミ


 ◆生き残ったミラクル

 

母親が面倒をみなければ赤ちゃんたちは生きていけません。

 

ミーナが子育てをしなくなった時点で危機に陥った双子の命ですが、ナミとモミジが世話を続けました。

 

特に、ナミは献身的でしたが、私たちの心境は複雑でした。

 

なぜなら、ナミからはおっぱいが出ず、ナミにお世話をされても赤ちゃんたちが生きられる可能性が低いからです。

 

一方で、この時モミジは子育て中でおっぱいが出ていたので、このままモミジの養子として育ててもらえることに期待しました。

 

しかし、ミーナが赤ちゃんたちの世話をしなくなって4日後の7月13日の朝、1頭の赤ちゃんが亡くなりました。

 

ナミは亡骸を長い時間手放そうとせず、私たちはナミが諦めるまで好きなようにさせていました。

 

この時に生き残った方の赤ちゃんがミラクルです。

 

写真:2頭の赤ちゃんを抱くナミ。1頭の赤ちゃんにはすでに力がない。


◆夏の暑さのなか、ミラクルに迫る命の危機

 

私たちの願いは、生き残ったミラクルがモミジに養子として受け入れられることでした。

 

しかし、ナミのミラクルへの思いは強く、モミジに渡すことはありませんでした。

 

ミラクルは、自分を大切に抱えるナミの乳首を吸っていましたが、ナミからはおっぱいが出ないので、日に日に衰弱していきます。

 

昨年の7月は本当に暑い日が続き、見た目にもミラクルの身体が脱水でしぼんでいるのがわかるほどでした。

 

クモザルの赤ちゃんは、生まれてすぐでも、しっかりと四肢と尻尾で母親の体にしがみつくため、まるで母親と一体化しているように見えます。

 

しかし、ミラクルの尻尾はだらりと垂れ下がり、手や足や頭がナミから離れてしまっていました。

 

今にも落っこちそうな姿を私たちはハラハラと見守るしかありませんでした。 

 

写真:衰弱して落ちそうなミラクル


◆ミラクルを救ったナミの驚くべき行動

 

 もしも、ナミから全くおっぱいが出ていなければ、ミラクルは数日で力尽きるでしょう。

 

しかし、生きているということは、十分ではないにしても、ナミからおっぱいが出ているのでしょうか?

 

そんな疑問を抱えて見守る日々のなか、私たちは思わず目を疑う光景を目にしました。

 

ナミがミラクルを抱いたまま、モート(水堀)へ入ったのです。

 

ブラウンケナガクモザルは、モートに入ることはほとんどありません。

 

どうしても取りたいものがある時などは、一瞬だけ入ることもありますが、目的を達成したらすぐに上がります。

 

しかし、ナミはミラクルを抱いたまま1日に何回も水に入り、その日以降も毎日のようにミラクルを抱いて水に入るようになりました。

 

真相はわかりませんが、私たちはミラクルの脱水を察知したナミが、暑さから守るためにこうした行動をとったのではないかと考えました。

 

写真:ミラクルを水で冷やしているような様子のナミ


 ◆奇跡的にナミからおっぱいが出はじめた

 

 8月になると、ミラクルは少しずつ元気を取り戻していきました。

 

力なく垂れ下がっていた尾もしっかりナミにつかまるようになり、目を開けて周囲を見回すようになりました。

 

その目つきが意外にも力強く、ミラクルの命を半ば諦めていた私は、はっとさせられたことを覚えています。

 

にわかには信じられませんでしたが、状況から考えると、ナミからおっぱいが出はじめたのでしょう。

 

秋から冬にかけて、ミラクルには歯が生え、体の色が変わり、活発に動き回り、野菜などを食べるようになりました。

 

気づくと、私たちはミラクルの命を心配することはなくなっていました。

 

そして、職員の間で冗談のように呼んでいたミラクルという愛称を、そのまま正式な名前にすることに決めたのです。

 

写真:ナミから授乳を受けるミラクル


後編につづきます。

 

写真:冬になり、成長して自分で餌を食べるミラクル


2026年07月19日

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