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ちゃんと自炊してるのえらいね!
先日オオアリクイ展示場にお目見えしたアリ塚(ニセモノ)。
野生のオオアリクイがエサにしているアリの巣を模したものですが、日本で見られるアリは多くが土の中に巣を作ります。
しかしアリの巣があんな形をしているなんて、信じがたい方もいるかもしれません。
そこで今回はアリクイがエサにしているアリについてのお話です。
日本にはなんと280種ものアリがいるといわれていますが、彼らはハチ目に属するハチの仲間。
対してアリクイが食べているのは『シロアリ』という虫です。
アリという名前がついていますが実はアリではなくて黒光りするあの虫の仲間です。(ぞわわ)
エサとなるのは植物など。だから家の木を食べてしまうわけですね。
そしてシロアリの中には、地中ではなく地上に土のタワーのような巣を作るものがいます。
彼らが今回の主役なわけですが、なぜそんなことをする必要があるのか。
それはシロアリたちが暮らしている環境にヒントがあります。
彼らが暮らすのは南米の乾燥地帯。
昼には40℃、夜には一桁の気温という日も珍しくなく、小さなシロアリたちが生きていくには過酷な環境です。
そこで活躍するのがあの巨大なアリ塚。
なんと優れた空調機能を持っており、まるで人間の肺の様に外気の気温によって空気が出たり入ったりするのだそうです。
その結果、巣の中の温度・湿度はほぼ一定に保たれ、過酷な環境でも快適に生活できるというわけです。
さらに驚くべきことに彼らの中には巣の中でキノコを育てエサにする、いわば農業をするものもいるそうですよ。
ちなみにアリクイは1つの巣から少ししかシロアリを食べません。
そうすることで、エサであるシロアリが全滅して食べられなくなってしまうのを防いでいると考えられています。
あの小さな頭でそんなことを思いつくなんて…(失礼)
いままでシロアリといえば害虫のイメージだった方がほとんどだと思いますが、計算しつくされた巣作りやエサを自ら育てる自給自足ぶりなど、その暮らしぶりはなかなか面白いところがありましたね!
もしかすると私より全然すごいかもしれない…
(自炊をちゃんとやろうと思ったR)
2020年10月26日