公益財団法人 えどがわ環境財団

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ヒツジの「こまち」が死亡しました。

2021年3月5日(金)にヒツジの「こまち」が死亡しました。

 

今年の1月に14歳になったばかりでした。

 

 

 

「こまち」は2007年2月にまかいの牧場から当園にやってきました。

 

「こまち」は穏やかな性格で他のヤギたちよりも一歩後ろにいるような個体でした。

 

優しい顔立ちと穏やかな性格も相まって、ふれあいコーナーではファンも多く

 

多くの方に愛されているヒツジでした。

 

 

 

ここ一年の「こまち」は高齢ということもあり、闘病の連続でした。

 

昨年の7月ごろから、蹄底(ていてい:蹄の裏)

 

に潰瘍ができてしまい、起立が困難になってしまいました。

 

ヒツジなどを含む反芻獣(はんすうじゅう:ウシやキリンなど反芻をする仲間)

 

は座りっぱなしになってしまうと、胃腸がスムーズに動かなくなり生死に関わります。

 

そこで、2時間おきくらいに飼育職員総出で支えながら立たせる時間を設けました。

 

痛みや筋力の低下からか、最初のうちは力が入らず支えてもらいながら

 

立つのがやっとという感じでした。

 

1ヶ月程で自力で起立し、ふれあいコーナーにも歩いて行けるほどになり、

 

日々の治療やケアの甲斐もあり、蹄底の潰瘍も良化していきました。

 

 

 

しかし、今度は9月頃に前肢の手根関節

 

(しゅこんかんせつ:人でいう手首にあたるところ)

 

が腫れてしまい、9月の終わりに後肢の繋(つなぎ:蹄のすぐ上の部分)

 

からも膿が出るようになってしまい、またしても立てなくなってしまいました。

 

治療と並行してまた数時間おきに立たせるリハビリを再開しました。

 

また、なるべく足に負担が無いよう、床にウレタンのマットを敷いたり、

 

曲がって固まてしまった前肢の蹄が削れ過ぎないようにプラスチック粘土で

 

特製の靴を造ったりと「こまち」の状態と向き合いながら日々試行錯誤の連続でした。

 

11月ごろには毎日のリハビリの甲斐もあり、支えられながらふれあいコーナーまで

 

歩けるほどになりました。

 

12月ごろからは施設整備班職員のお手製歩行器も使用し、

 

徐々に歩く時間も伸びていきました。

 

 

治療の甲斐もあり、2021年1月頃にはかなり繋の傷も良化してきました。

 

 

 

しかし、3月5日の朝出勤してみると、誤嚥をしてしまったようで

 

吐き戻しが多量にあり、ゼコゼコと苦しそうに呼吸をしていました。

 

酸素の吸入や、誤嚥してしまった乾草の吸引など職員全員でできうる限りの手を尽くしましたが、

 

残念ながら、15時前頃に死亡してしまいました。

 

この1年は辛い治療やリハビリの連続でしたが、最後まで本当に頑張ってくれました。

 

 

 

 

長きにわたり「こまち」を可愛がって頂きありがとうございました。

 

「こまち」の死を無駄にせぬよう、「こまち」から学んだ多くのことを

 

他の動物たちに還元していきたいです。

 

こまち、今までありがとう。ゆっくり休んでね。

 

(Y)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2021年03月09日

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